こんにちは!ぐーです。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!
4年に一度の米国大統領選挙。これはただの政治イベントではなく、私たち投資家のポートフォリオに大きな影響を与えます。
市場参加者の注目が経済指標だけでなく「政策」にも集まるため、この年は特有の値動き(アノマリー)が生まれやすくなります。
しかし、増配株ポートフォリオ(PF)を持つ長期投資家にとって、このアノマリーは「特定のセクターが必ず上がる」という単純なものではありません。
むしろ「政策期待による不確実性とボラティリティ(変動)の高まり」として現れます。
今回は、選挙年のアノマリーと、私たちが増配株投資で取るべき具体的な「調整術」について詳しく解説していきます。
大統領選挙年のアノマリーの正体
一般的に「大統領選挙サイクル」では、4年間のうち 3年目(選挙前年)が最も株価が上がりやすいとされています。
これは、現職大統領が再選を目指して景気刺激策を打ち出すことが多いためです。
対して 4年目(選挙年) は、平均リターンこそプラス傾向であるものの、勝敗の行方が見えない春から夏にかけては相場が停滞・不安定化しやすいのが特徴です。
つまり、選挙年のアノマリーの核心は、「どのセクターが強いか」よりも、「どちらの党が勝つかによって、セクター間のパフォーマンスの差(ディスパーション)が極端に大きくなる」という点にあります。
市場は、選挙結果そのものよりも「政策の変更」を織り込もうとします。
そのため、選挙が近づくにつれて、物色されるセクターは「党派性」を強く帯びるようになるというわけです。
政治と経済は切っても切り離せないんです。好むと好まざるとに関わらず、投資をするなら政治にもアンテナを張っておきましょう⚡️
📈📉 政策期待で動く「強い」セクター・「弱い」セクター
選挙年のセクター動向は、どちらの党の候補者が優勢か、そしてその党が掲げる政策に大きく左右されます。
※あくまで傾向の話です。
1. 「共和党」勝利が意識される場合
伝統的に「大きな政府」よりも「ビジネスフレンドリー」な政策が期待されます。
- 強さが意識されやすいセクター:
- エネルギー: 石油・ガスなど伝統的エネルギー産業への規制緩和期待。
- 金融: 銀行などへの規制緩和(ドッド=フランク法の見直しなど)期待。
- 防衛・産業: 国防費の増額やインフラ投資への期待。
- 弱さが意識されやすいセクター:
- クリーンエネルギー: 補助金の削減懸念。
2. 「民主党」勝利が意識される場合
環境政策や富裕層・大企業への課税、消費者保護などが意識されます。
- 強さが意識されやすいセクター:
- クリーンエネルギー: ESG投資の追い風、大規模な環境インフラ投資期待。
- ヘルスケア(一部): オバマケア(ACA)の拡充期待。
- 弱さが意識されやすいセクター:
- ヘルスケア(製薬): 薬価引き下げ圧力への強い懸念。
- 金融・ハイテク(大型株): 規制強化や法人税増税への懸念。
💡 増配株ポートフォリオ(PF)の調整術 4選
選挙年のボラティリティは、長期目線の投資家にとって「リスク」であると同時に、優良株を安く仕込む「チャンス」にもなります。
重要なのは、慌てて売買することではなく、以下の4つの視点でPFを点検し、調整することです。
1. コアとなる「政策抵抗力」のある銘柄を再確認する
最も重要なポイントは、どちらの党が勝っても業績が揺るがない「政策抵抗力」の強い銘柄をPFの中核に据えることです。
- 例:
- 生活必需品: P&G (PG) やコカ・コーラ (KO) のような、強力なブランド力と需要を持つ企業。
- 一部の公益: 規制下にありながらも、生活インフラとして不可欠な電力・ガス企業(ただし、環境政策の影響度は要確認)。
- 一部の資本財: 景気循環の影響は受けても、特定の政策(例:防衛)に依存しすぎない産業コングロマリットなど。
2. 「政策リスク」が集中しているセクターを点検する
PFが特定のセクターに偏っている場合、そのセクターが「政治的な標的」になっていないかを確認します。
- 特に注意すべきセクター例: ヘルスケア(製薬)
- 薬価引き下げは、党派を超えて(特に国民の支持を得やすいため)公約に掲げられやすいテーマです。
- アッヴィ (ABBV) やメルク (MRK) など、特定の薬剤への依存度が高い企業の増配持続性に影響が出ないか、短期的な株価下落リスクがないかを評価します。
3. 「ディフェンシブ増配株」への一時退避(ヘッジ)
選挙結果が出るまでの不透明な期間、市場全体のボラティリティが高まることへの備えとして、ディフェンシブセクター(生活必需品、公益)の比率を一時的に高めるのもアリです。
ただし、選挙結果が出た後(不確実性が解消された後)は、これらのセクターから資金が流出し、政策期待の高いセクター(金融やエネルギーなど)へ資金が向かう「リスクオン」ラリーが起きやすいことにも注意しておきましょう。
4. ボラティリティを利用した「買い増し」の準備
選挙年のアノマリーを逆手に取る戦略です。
選挙が理由で(つまり、本質的な業績悪化ではなく、政治的な懸念だけで)株価が下落した優良な増配株は、絶好の買い増し機会となる可能性があります。
- 例: 民主党勝利が確実視され、金融株が「規制強化懸念」で売られた場合でも、JPモルガン・チェース (JPM) のような優良銀行の長期シナリオが変わらないと判断すれば、安値で仕込むチャンスがあるかもしれません。
まとめ
選挙年のアノマリー投資のコツは「予測」ではなく「対応」です。
今回は世界的に最もインパクトの大きい米国を例に説明しましたが、日本の選挙でも考え方のベースは同じです。
長期投資の際は、短期的な政治の「ノイズ」で売買するのは避けましょう。
むしろ、そのノイズによって生じた「株価の歪み(ミスプライシング)」を利用して、長期的な増配ポートフォリオの質を高めることに集中するのが良い調整術となります。
世界が注目するお祭りで浮かれないようにするのは、なかなか忍耐力が必要となりますが、長期投資とはそういうものです。
一緒にコツコツがんばっていきましょう!
「でもやっぱり投資って難しそう…」と一歩踏み出せずにいませんか?
最初の一歩は、難しい本より、まずはマンガで楽しく学ぶのが私のおすすめです。

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