「投資」と聞くと、あなたは何を思い浮かべますか?
「お金が増える」「将来のため」「なんだか難しそう…」
投資を始める前の私も、そうでした。
きっかけは、将来への漠然とした不安。「20代、30代という貴重な時間を、ただお金の心配だけして過ごしたくない」。
そんな思いから、私もおそるおそる投資の世界に足を踏み入れたのです。
高配当株やインデックス投資で、お金が増えるのは嬉しいことです。
投資を続けてきて、20代のうちに資産2,000万円以上になりましたが、私の中にそれ以上に大きな変化があったことに気づきました。
それは、お金に対する価値観、ひいては人生そのものに対する捉え方が、根本から変わったこと。
この記事では、資産形成のノウハウではなく、私が投資を通じて得た「お金以外の価値観の変化」をテーマに、実体験を交えながらお話ししたいと思います。
もしあなたが、昔の私と同じように将来への不安を抱えていたり、投資を始めるか迷っていたりするなら、きっと何か新しい視点が見つかると思います。
1. 「時間」こそが最強の資産だと気づいた
投資を始めて、心の底から理解したのが「複利」の力です。
「人類最大の発明」と呼ばれるこの概念。簡単に言えば、「利益が利益を生む」仕組みのことです。
例えば、100万円を年利5%で運用できたとします。
1年後には105万円。その次の年は、100万円ではなく105万円に対して5%の利益がつき、110万2,500円。そのまた次は…。
最初は微々たる差ですが、この「雪だるま式」の効果は、時間をかければかけるほど、爆発的に大きくなります。
つまり『時間』こそが、何にも代えがたい最強の資産ということです。
それからの私は、一日一日を大切にするようになりました。もちろん、ダラダラ過ごす日もありますが(笑)
でも、ただ何となく過ごすのではなく、「この時間は未来の自分への投資になるか?」と自問自答する癖がついたのです。
読書で知識を深めること、新しいスキルを学ぶこと、健康のために運動すること。
これら全てが、金融資産と同じように「複利」で将来の自分を豊かにしてくれる「自己投資」だと、思えるようになりました。
お金の雪だるまだけでなく、知識や経験の雪だるまも、時間をかけて大きく育てていこうと思えるようになったのです。
2. ニュースの「裏側」を想像するようになった
以前は、テレビで流れる経済ニュースなんて他人事でしかありませんでした。
「日経平均が上がった」「円安が進んだ」、政治が云々と聞いても、「へぇ、そうなんだ」で終わり。
しかし、投資先や投資額が増えていくと、そのニュースが自分の資産に直結する「自分ごと」に変わっていきました。
- 「この企業が新製品を発表したのか。株価はどう動くかな?」
- 「アメリカの金利が上がったということは、私の持っている米国株や為替はどうなるんだろう?」
- 「この流行りのサービス、提供している会社はどこだろう?上場してるのかな?調べてみよう」
スーパーでも新商品を見かければ、「この会社はどんな戦略でこれを売ろうとしているんだろう?」と考えたり、街で新しいお店ができれば、「どんなビジネスモデルで成り立っているんだろう?」と想像を巡らせたり。
今までは素通りしていた情報の一つひとつに、社会や経済の大きな流れが隠されていることに気づきました。
興味を持つと、自然と情報に敏感になりますよね。世界の見え方が、モノクロから色付き始めたような感覚。これは、投資を続けていなければ決して味わえなかった面白さです。
3. お金の使い方が「投資・消費・浪費」の3色に分かれた
あなたにとって、「良いお金の使い方」とは何ですか?
投資を始める前の私はとにかく貯金していました。
でも投資家の視点を手に入れてから、私のお金の使い方の判断基準はガラリと変わりました。
それは、全ての支出を「投資・消費・浪費」の3つに色分けする考え方です。
- 投資:将来の自分を豊かにしてくれるお金の使い方(書籍代、スキルアップ、健康のための費用、もちろん金融投資も)
- 消費:生きていく上で必要な、価値相応のお金のの使い方(家賃、食費、水道光熱費など)
- 浪費:あまり価値を生まない、無駄遣い(衝動買いした服、付き合いだけの飲み会など)
この物差しを持つようになってから、無駄な「浪費」は意識して減らせるようになりました。
一方で、自分にとって価値のある「投資」には、以前よりも積極的にお金を使えるようになりました。
例えば、少し高くても質の良い家具を買う。それはわたしにとって、日々の生活の質(QOL)を長期的に上げてくれる「投資」です。
友人と心から楽しめる旅行に行く。それは、人生を豊かにする経験という「投資」です。
「安いから」という理由だけで選ぶのではなく、「これは将来の自分にどんなリターンをもたらしてくれるか?」という視点が加わったことで、お金を使うことへの罪悪感が減り、むしろ幸福度が上がりました。
4. 短期的な「損」を恐れなくなった
投資に「絶対」はありません。
株価は日々変動し、時には元本を割り込む、つまり「損」をすることもあります。
投資を始めたばかりの頃は、評価額が少しでもマイナスになると、不安で夜も眠れないほどでした。
しかし、長期的な視点を持つこと、そして「ドルコスト平均法」のような時間分散の考え方を学ぶうちに、短期的な価格変動に一喜一憂しなくなりました。
むしろ、市場全体が下落している局面は「優良な資産を安く買えるバーゲンセールだ」と、少しワクワクするくらい、ポジティブに捉えられるようになったのです。
この考え方は、日常生活にも良い影響を与えてくれました。
仕事で失敗してしまったり、何かうまくいかないことがあったりしても、「これは長い人生における一時的な下落局面。ここでの経験が、将来もっと大きく成長するための糧になる」と、前向きに考えられるようになったのです。
長期的な目標さえ見失わなければ、目先の小さな失敗はただの誤差。この「しなやかなメンタル」は、投資がくれた最高のプレゼントの一つだと思っています。
投資で凡ミスしたら、数十万円~数百万円失うことも少なくないですが、仕事でミスっても謝ればたいてい済みますからね。
投資額が大きくなってからは「会社員ってラクだな」とすら思うときがあります。
5. 「応援したい」という新しい感情が芽生えた
私がメインにしている高配当株投資は、個別株で投資するので、企業の株主になるということです。
それはつまり、その企業のオーナーの一人になるということ。
配当金は、企業が生み出した利益の一部を株主に還元してくれるものです。そのお金を受け取るたびに、私はこう思うようになりました。
「この会社の人たちが頑張ってくれたおかげ。これからも応援しよう」
自分が良いと思ったサービスや製品を作っている企業、社会に貢献している企業に投資をすると、単なる値上がり益を期待するだけでなく、その企業の成長を心から応援したい、という気持ちが芽生えてきます。
それは、好きなアーティストやスポーツチームを応援する感覚に似ています。
企業の成功が、配当金や株価上昇という形で自分にも返ってくる。そして、自分の資金がその企業の成長の一助となっている。
この「社会とのつながり」を感じられるのは、預金では決して得られない感覚です。
最近では、環境や社会問題の解決に取り組む企業に投資する「ESG投資」も注目されています。金融庁の調査でも、若年層でサステナビリティ投資への関心が高い傾向が見られます。
自分のお金が、より良い未来を作るために使われる。そういう価値観をもとに投資できることも、大きな魅力の一つですね。
まとめ:投資は、未来の自分への「仕込み」
投資を始める前の私は、将来のお金のことで不安だらけでした。
しかし、投資を通じて「時間」や「複利」の価値を知り、社会や経済の仕組みに目を向けることで、私の世界は大きく広がりました。
それは、単に金融資産が増えたという話ではありません。
- 時間を味方につける、長期的な視点
- 物事の本質を見ようとする、多角的な視点
- 自分を成長させる、自己投資の視点
- 短期的な浮き沈みに動じない、しなやかな心
- 社会とつながり、誰かを応援する喜び
これら全てが、投資が教えてくれた「お金よりも大切な価値観」です。
もちろん、投資は自己責任ですし、すぐに結果が出るものでもありません。
私自身、何度も手痛い失敗を重ね、何度も大損してきましたからね。
しかし、未来の自分を少しでも豊かにするために、今日から何か小さな一歩を踏み出すことは、誰にでもできます。
それは、つみたてNISAで月1,000円から始めてみることかもしれません。あるいは、まずは投資に関する本を1冊読んでみることかもしれません。
その一歩が、5年後、10年後のあなたの「価値観」を、そして「人生」そのものを、きっと豊かに変えてくれるはずです。
この記事が、ちょっとでもその参考になったら嬉しいです。
一緒にがんばっていきましょう!
「でもやっぱり投資って難しそう…」と一歩踏み出せずにいませんか?
最初の一歩は、難しい本より、まずはマンガで楽しく学ぶのが私のおすすめです。

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