「よし、含み益が5万円を超えた!いい感じだ」
「でも、この勢いなら10万円も夢じゃないかも…?もう少し待ってみよう」
…数日後。
「あれ、少し下がってきたな…。まあ、また上がるだろう」
「…まずい、含み益が1万円まで減ってしまった。あの時5万円で売っておけば…」
こんにちは!ぐーです。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!
投資歴は15年以上になりますが、今あなたがおそらく想像したであろうこの一連の流れ、恥ずかしながら今でも時々やってしまいます。
この記事を読んでいる方も、もしかしたら同じような経験があるかもしれませんね。
- 利益が出ているのに、もっと欲しくなって売れない
- 売り時を逃して利益が減り、後悔する
- 結局、いつ売るのが正解なのか分からない
この「利確のタイミング」問題は、投資における永遠のテーマです。特に、これから資産を増やしていきたいと考える20代、30代にとっては、切実な悩みだと思います。
でも、利益確定がうまくできないのは、意志が弱いからでも、才能がないからでもありません。これは、人間が生まれつき持っている「ある心理」が原因です。
この記事では、まず私自身の大失敗談を紹介します。その上で、なぜ私たちが利確のタイミングを逃してしまうのか、その心理的なワナを説明します。
最後に今日から実践できる具体的な解決策を3つのステップでご紹介します。
「いつ売ればいいんだろう…」という漠然とした不安から解放され、感情に振り回されずに、着実に利益を積み上げていきましょう。
なぜ私たちは「もう少し」と思ってしまうのか?
そもそも、なぜ私たちは「利益が出ている株」をなかなか売ることができないのでしょうか。
それは、行動経済学で言われる「プロスペクト理論」という心理効果が働いているからです。
少し難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、内容はとてもシンプル。
人は「利益」が出ている場面ではリスクを避けて手堅く得しようとし、「損失」が出ている場面ではリスクを取ってでも損失を回避しようとする傾向がある
というものです。
…と言ってもピンとこないですよね。株に置き換えてみましょう。
- 利益が出ている時: 「この利益(例えば+5万円)を失いたくない」という気持ちと、「もっと上がるかも(+10万円になるかも)」という欲が戦います。そして多くの場合、「もっと儲かるかもしれない」という期待(欲)が勝ち、結果として「もう少し待つ」という選択をしてしまうのです。
- 損失が出ている時: こちらは「損切り」の話になりますが、「いつか株価が戻るはずだ」と根拠のない期待をして、損失が確定するのを先延ばしにしてしまいます(いわゆる塩漬け株の完成です)。
つまり、私たちが「もう少し上がるかも」と思ってしまうのは、ごく自然な人間の心理なのです。まずは「自分だけじゃないんだ」と安心してくださいね。
【告白】私の大失敗…絶好調の建設系銘柄で溶かした30万円
ここで、私の恥ずかしい失敗談を一つお話しさせてください。
投資を始めて数年の頃、ある日本の大手建設会社の株を持っていました。当時は建設市況が絶好調で、私の買った株もあれよあれよと値上がりし、含み益は30万円を超えていました。
当時学生だった私はこう考えていました。
「すごい!会社員の月収分くらいの利益が出ている!しかもこの勢いなら倍になるかもしれない!ここで売るのはもったいないかも…!」
はい、典型的な「欲張り投資家」の完成です。
その数週間後、市況のピークアウト懸念から株価は急落。あれだけあった30万円の含み益は、あっという間に半分になり、さらに下がり続けました。
「まずい…せめて20万円の利益で売りたい」
「10万円でもいいから…」
そう思っているうちに、株価はさらに下落。結局、私はわずか数万円の利益でその株を手放すことになりました。最初に利確していれば得られたはずの利益と比べると、天と地ほどの差です。
「あの時、なぜ30万円で売らなかったんだ…」
その夜は本当に悔しくて、眠れませんでした。この手痛い失敗から、私が学んだ教訓はたった一つ。
「感情(欲)で取引するな。ルールで取引しろ」
ということです。
今日からできる!感情にサヨナラするための「自分ルール」の作り方3ステップ
では、どうすれば感情に振り回されずに、冷静に利益を確定できるのでしょうか。
ここからは、私の失敗と経験から編み出した「自分ルールの作り方」を3つのステップで解説します。これさえ実践すれば、「利確迷子」からきっと卒業できます。
ステップ1:【買う前に決める】自分だけの「出口戦略」を持つ
最も重要なのは、株を買う前に「売る時の条件」を決めてしまうことです。利益が出てから考えると、必ず「欲」が出てきて冷静な判断ができなくなります。
「出口戦略」と聞くと難しそうですが、例えばこんな簡単なルールでOKです。
- ① 株価上昇率で決める:「買値から+20%上がったら売る」
- 初心者の方に最もおすすめなのがこの方法です。10万円で買った株なら、12万円になったら売る、と機械的に決められます。何%にするかは、5%でも10%でも、あなたが「十分だ」と思える水準で大丈夫です。
- ② 目標金額で決める:「含み益が5万円になったら売る」
- 「この利益が出たら、欲しかったあのバッグを買おう!」のように、具体的な目標と紐づけるとモチベーションも上がりますね。
- ③(高配当株投資なら)配当利回りで決める:「配当利回りが3%を下回ったら売る」
- これは少し中級者向けですが、私が実践している方法の一つです。高配当が目的で買ったのに、株価が上がりすぎて配当利回りが低くなってしまったら、他の投資家から見て「旨味がない」と判断して売却し、もっと利回りの良い別の銘柄があればそちらに乗り換えます。
大切なのは、「なんとなく」ではなく、具体的な数字でルールを決めることです。
ステップ2:【感情を挟まない】便利な注文方法を使いこなす
ルールを決めても、いざその株価になると「やっぱりもう少し…」と思ってしまうのが人間です。
そこで、感情を挟む余地をなくすために、証券会社の「指値(さしね)注文」を使いましょう。
指値注文とは?
「この株が〇〇円になったら売る」と、あらかじめ予約しておく注文方法です。
例えば、1,000円で買った株を「1,200円になったら売る」とルールを決めたとします。
そしたら、株を買ったその日のうちに、証券会社のアプリやサイトで「1,200円の売り指値注文」を出しておくのです。
こうしておけば、私たちが仕事をしている間でも、寝ている間でも、株価が1,200円に達した瞬間に自動で売却が成立します。そこに私たちの「もう少し待とうかな…」という感情が入る隙はありません。
これは非常に優れた手法です。まだ使ったことがない方は、ぜひ今日から試してみてほしいです。
ステップ3:【未来の自分のために】取引を記録し、振り返る
最後のステップは、地味ですがとても重要です。それは、なぜそのルールで売り、結果どうだったかを記録することです。簡単なメモで構いません。
例:〇〇株
- 購入理由: 配当利回りが4%と高かったから。
- 売却ルール: +15%上昇したら利確する。
- 結果: ルール通り+15%で利確。利益は+3万円。
- 振り返り: 利確後、さらに10%上昇したけど、ルール通りにできたのでOK!この利益で美味しいものを食べよう。
これを続けると、2つの良いことがあります。
- ルールの精度が上がる: 「+20%のルールは少し欲張りすぎたかな、次は+15%にしてみよう」というように、自分に合ったルールへと改善していけます。
- 成功体験が自信になる: 「ルール通りにやって利益が出た!」という経験は、自信になります。この自信こそが、次の取引で感情に流されないための最大の武器になってくれます。
まとめ:「頭と尻尾はくれてやれ」
今回は、投資初心者がつまずきやすい「利確のタイミング」について、私の失敗談と具体的な解決策をお話ししました。
最後に、昔から伝わる相場の格言を一つ。
「頭と尻尾はくれてやれ」
これは、「魚の頭(一番安い底値)と尻尾(一番高い天井)を狙って完璧に儲けようとするな。美味しい胴体の部分だけを確実にもらえれば十分だ」という意味です。
株価の天井をピタリと当てるなんて、プロの機関投資家でも不可能です。
完璧な利確を目指す必要はありません。「自分ルール」に従って、納得して得られた利益こそが、最高の利確です。
今日お伝えした3つのステップ、
- 買う前に出口戦略を決める
- 指値注文で機械的に実行する
- 取引を記録し、振り返る
を実践すれば、収益はきっと変わります。
利益確定は、決して難しい特殊スキルではありません。練習すれば誰でも上達する「技術」です。ただルール化して、実践するだけですからね。
この記事が参考になったら、嬉しいです。
一緒に、着実な一歩を踏み出していきましょう!
「でもやっぱり投資って難しそう…」と一歩踏み出せずにいませんか?
最初の一歩は、難しい本より、まずはマンガで楽しく学ぶのが私のおすすめです。
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