暴落。
その二文字を聞くだけで、心臓がキュッと縮こまるような感覚に陥りませんか? 「大切に貯めてきたお金が、一瞬で溶けてしまったらどうしよう…」という、株の下落が怖いという感情。
「頭では長期投資と分かっていても、真っ赤な画面を見たらパニックになって、つい狼狽売りしてしまいそう…」という不安。
こんにちは!ぐーです。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!
私自身、この記事で紹介する心理術を実践したことで、あのコロナショックの時も冷静に買い増しでき、現在の年間配当金25万円という結果に繋がりました。
もしあなたが今、暴落を恐れて投資の一歩を踏み出せないでいるなら、あるいは、すでに投資を始めたものの、含み損の恐怖で夜も眠れない日々を過ごしているなら、この記事を読んでみてほしいです。
多くの人は、「暴落でも平気な人」というのは、鋼のメンタルを持つ特別な才能の持ち主だと思っています。あるいは、有り余る資金があるから平気なのだと。
でもそれは全くの誤解です。
暴落でも冷静な投資家は、特別な人間なのではありません。彼らは、人間の「脳のバグ」とも言える心理的なワナを知り、それを乗りこなすための「心理術」を実践しているだけなのです。
この記事では、投資手法のもっと根底にある、私たちの思考のOSを書き換えるための、具体的な3つの心理術をお伝えします。
これを読めば、なぜ彼らが恐怖のどん底で「買い」という真逆の行動を取れるのか、その脳内メカニズムが手に取るように分かるはずです。
それでは行きましょう。
前提:私たちが株の暴落を怖いのは「正常」な証拠
本題に入る前に、一つだけ知っておいてください。私たちが暴落を怖いと感じるのは、意志が弱いからではありません。それは、人間として極めて正常な反応なのです。
行動経済学の第一人者ダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」によれば、人間は「1万円を得る喜び」よりも「1万円を失う苦痛」を2倍以上も強く感じるようにできています。
つまり、利益が出ている時の「嬉しい!」という感情より、損失が出ている時の「辛い…」という感情の方が、脳に与えるインパクトが圧倒的に大きいのです。
だから、暴落時に冷静さを失い、「もう耐えられない!」と全てを投げ売りしたくなる(狼狽売り)のは、人間の本能。まずは、「自分は正常なんだ」と認めてあげることから始めましょう。
その上で、この本能という“暴れ馬”を手なずけることが、狼狽売りしない方法の本質です。これから、そのための心理術をインストールしていきます。
【心理術①】未来の感情を予約する「シナリオ・プランニング」
「最悪の事態を想定しましょう」という話はよく聞きますよね。しかし、これだけでは、なかなかうまくいかないときがありますよね。
暴落でも平気な人は、もっと解像度高く、リアルに想定しています。
それは、未来の感情と行動を「事前に」体験しておくという心理的なリハーサルです。
【具体的なやり方】
今すぐ、ノートとペンを用意してください。そして、こう書き出します。
- トリガー:「もし明日、日経平均が20%暴落し、自分の投資資産が100万円から70万円になったら…」
- 感情の予測:「私はどんな感情になるだろうか?」
(例)「心臓がバクバクする」「血の気が引く」「仕事が手につかない」「ああ、やっぱり投資なんてするんじゃなかったと後悔する」…etc. 包み隠さず、ネガティブな感情を全て書き出します。 - 行動の予測:「私はどんな行動をとりそうか?」
(例)「株価アプリを1分おきに見てしまう」「SNSで『暴落』と検索しまくる」「怖くなって全部売ってしまう」…etc. - 理想の行動:「本来、その時に取るべき行動は何か?」
(例)「何もしない。アプリを閉じる」「むしろ、かねてから狙っていた優良株を少し買い増す」「配当金の記録を見て心を落ち着ける」…etc.
これをやるだけで、いざ本物の暴落が来た時、脳はこう反応します。
「あ、このパニック感覚、知ってるやつだ。リハーサル済みだ。」
「未知の恐怖」は、私たちから冷静さを奪います。しかし、このワークで「既知の事象」に変えてしまえば、脳はパニックモードに入りません。
慌てふためくもう一人の自分を、冷静な視点から「やれやれ、想定通りだな」と眺めることができるようになります。未来の感情を予約し、コントロールする。これが一つ目の心理術です。
【心理術②】狼狽売りを防ぐための「情報デトックス」
暴落時、私たちの心を最も蝕むのは、下落する株価そのものではありません。株価に付随する「過剰な情報(ノイズ)」です。
テレビのニュース、ネット記事の見出し、SNSで飛び交う悲観論…。これらは、プロスペクト理論で弱った心に容赦無く付け込んできます。
暴落でも平気な人は、この「ノイズ」を意識的に、そして物理的に遮断する術を知っています。
【具体的なやり方】
- 株価アプリの通知を全てオフにする。あのピコン!という通知が、私たちの平静を乱す元凶です。
- 株価をチェックする時間を決める。「朝9時の始業前と、夜寝る前の2回だけ」というようにルール化します。それ以外の時間は、株価のことは一切考えないと決めるのです。
- 暴落時はSNSや掲示板を見ない。特に匿名性の高い場所は、極端な悲観論(あるいは無責任な楽観論)の坩堝です。そこにあるのは集合的なパニックであり、投資判断に役立つ情報は何一つありません。
私たちが、暴落の最中に見るべきは株価ではなく、「なぜ自分はこの企業に投資したのか?」という原点に絞りましょう。情報を遮断することで、心の平穏を手に入れられます。
【心理術③】視点をワープさせる「目的の再定義」
これが最も本質的で、強力な心理術です。
暴落の渦中にいると、私たちの視点は「下がっている株価」という一点に固定され、視野が極端に狭くなります。これがパニックの正体です。
暴落でも平気な人は、この凝り固まった視点を、一瞬で未来の「目的」へとワープさせる技術を持っています。
【具体的なやり方】
あなたは、「何のために」投資をしていますか?
「老後の資金のため」「子供の学費のため」「経済的に自立するため」「月5万円の配当金で、好きな旅行に行くため」…
その「目的」を、できるだけ具体的に、感情が動く言葉で紙に書き出してください。そして、それを毎日目にする場所に貼るのです。PCのデスクトップ、トイレのドア、手帳の最初のページ。どこでも構いません。
暴落が来て、含み損の恐怖に心が支配されそうになったら、それを見てください。
すると、脳内で視点の転換が起こります。
- (暴落時の視点)「うわ、株価が20%も下がった!どうしよう!」
- (目的を見た後の視点)「なるほど。最終目的である『60歳で月10万円の配当金生活』への道のりで、バーゲンセールが始まったのか。むしろ、目的地に早く着くためのチャンスじゃないか?」
目の前の「株価の下落」という戦術レベルの問題から、「人生を豊かにする」という戦略レベルの目的に、視点が強制的に引き上げられます。
株価は、あくまで目的地に着くための「乗り物」の速度計にすぎません。速度が一時的に落ちようが、乗り物自体が頑丈で(=優良企業)、向かう方向(=目的)が定まっていれば、何も慌てる必要はありません。
まとめ:暴落は、凡人をふるい落とす「神のふるい」
ここまで、暴落でも平気な人が実践する3つの心理術をお伝えしてきました。
- シナリオ・プランニング:未来の感情をリハーサルし、未知の恐怖を既知の事象に変える。
- 情報デトックス:ノイズを物理的に遮断し、心の平穏を守る。
- 目的の再定義:視点を「価格」から「目的」へワープさせ、短期的な混乱から抜け出す。
この記事で見てきた通り、特別な才能を必要としません。今日から実践できる思考のトレーニングです。
投資の世界では、暴落は「神のふるい」だとよく言われます。多くの人が本能に負けて狼狽売りで資産を手放し、市場から退場していきます。そして、この心理術を身につけたごく一部の人間だけが、その恩恵を享受できます。
もう「ふるい落とされる側」でいる必要はありません。
暴落は、恐怖の対象ではなく、私たちの胆力を試し、資産を大きく育てる絶好の機会です。
次の暴落を「最高の買い場」として、笑顔で迎え撃ちましょう!
「でもやっぱり投資って難しそう…」と一歩踏み出せずにいませんか?
最初の一歩は、難しい本より、まずはマンガで楽しく学ぶのが私のおすすめです。
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