こんにちは!ぐーです。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!
いきなりですが、サッカーチームの監督になったと想像してみてください。
「攻撃は最大の防御!」とばかりに、得点力抜群のエースストライカーを11人集めてフィールドに送り出す。
…このチーム、勝てると思いますか?
おそらく、守備はザル状態、あっという間に失点を重ねて試合に負けてしまうでしょう。
笑い話のようですが、実はこれ、投資初心者が高配当株で失敗する典型的なパターンと全く同じです。
高配当株投資は、正しく付き合えば、資産形成を加速させる強力なエンジンになります。しかし、「配当利回り」という一点突破の戦術は、あまりにも脆い。
今日の記事は、単なる「分散しましょう」という話ではありません。
私が投資を15年以上続ける中で多くの失敗から学んだ、資産という名の「チーム」をマネジメントし、どんな市場環境でも戦い抜くための、具体的な戦略と考え方をお伝えします。
高配当株投資の罠|「高利回り」だけを信じるのが危険な2つの理由
なぜ、高配当株というエースだけに頼るのが危険なのか。もう少し解像度を上げて、その理由を見ていきましょう。
理由1:企業の業績次第で「減配・無配」になるリスク
企業の配当は、事業で得た利益から支払われます。これは絶対の原則です。
つまり、企業の業績が悪くなれば、配当は簡単に減らされ(減配)、時にはゼロに(無配)なります。
特に注意したいのが、無理して配当を出している企業です。企業の健全性を見る指標に「配当性向(利益のうち、何%を配当に回したか)」があります。これが高すぎる(例えば80%超え)場合、少し業績が傾いただけで減配リスクが一気に高まります。それは未来の利益を先食いしている、危険なサインかもしれません。
理由2:高利回りの正体は、株価が下落した「不人気」のサインかも
「配当利回り = 1株あたりの配当金 ÷ 株価」
この式が意味するのは、株価が下がれば、利回りは自動的に上がるということ。
つまり、「高利回り」の正体が、業績悪化や将来性への不安から「株が売られている(不人気)」結果である可能性も十分にあるのです。
これがいわゆる「タコ足配当」につながります。配当金で5万円もらっても、株価が10万円下がれば、トータルではマイナス。これでは本末転倒ですよね。
失敗しない秘訣は資産配分にあり!サッカーに学ぶポートフォリオ戦略
では、どうすればいいか?
その答えが、あなたの資産全体を一つの「チーム(ポートフォリオ)」として捉え、各資産に「役割」を与えるという考え方です。
【FW】得点源となる高配当株
彼らはチームのエースです。高い利回りで着実にキャッシュ(得点)を生み出し、資産を増やしてくれます。金融、商社、エネルギー関連などが代表格です。しかし、彼らは景気の波を受けやすく、時に不安定になります。彼らを活かすも殺すも、他のポジションの選手次第です。
【MF】攻守の要となるバランス株
攻めにも守りにも顔を出す、チームの心臓です。例えば、優良な製造業や一部のハイテク企業などがここに当たります。そこそこの配当を出しつつ、事業成長による株価上昇(キャピタルゲイン)も狙える。FWとDFを繋ぐ、重要な役割を担います。
【DF】不況に強いディフェンシブ株こそチームの要
ここが最重要ポジションです。
食品、医薬品、通信、電力・ガスといった「生活必需品セクター」が主戦場。
最大の強みは、不況への圧倒的な耐性です。
例えば、〇〇ショックのような暴落局面で市場全体が30%下落する中、優れたディフェンシブ銘柄は10%程度の下落で持ちこたえることも珍しくありません。
この「下がりにくさ」が、チーム全体のダメージを最小限に食い止め、次の攻撃への素早い立て直しを可能にするのです。
【GK/ベンチ】暴落時に輝く最強の切り札、現金(キャッシュ)
「投資していない現金は機会損失だ」という意見もありますが、必ずしもそうは思いません。
現金は、チームの最後の砦であると同時に、最後の攻撃カードです。
市場が暴落した時は、優良企業の株を数年に一度の「バーゲンセール」で買える絶好のチャンスです。このチャンスを逃さないための軍資金、それが現金です。
私は常に、投資資金全体の20%は現金として確保し、守りを固めつつ攻撃にうって出る「出番」を探しています。
【具体例】高配当株ポートフォリオの配分例
「じゃあ、具体的にどう考えればいいの?」
あくまで一例ですが、私がポートフォリオを考える際のイメージをご紹介します。
- DF陣(40%): まず守備を固める。通信、食品、製薬などから、財務が健全で、長年安定して配当を出している企業を4〜5銘柄選び、チームの土台とする。
- MF陣(30%): 次に中盤。世界的に競争力のある製造業や、複数の事業を持つことでリスク分散ができている商社などを2〜3銘柄。
- FW陣(20%): ここでようやくエースを選ぶ。銀行やリースなど、高利回りだが景気の影響を受けやすい銘柄を、しっかりDF/MFが支えてくれるという安心感のもとで、1〜2銘柄加える。
- GK/ベンチ(10%): 現金。常にこのポジションを空けておき、絶好のチャンスに備える。
大切なのは、「なぜこの銘柄を、このチームのこのポジションに置くのか?」という自分なりの「戦術的意図」を持つことです。
まとめ:高配当株投資で成功するには、まず「守備」から固めよう
完璧なチームなんて、最初から目指さなくて大丈夫です。
私も、今でも毎年メンバーの入れ替え(銘柄の売買)を繰り返してチームを強化しています。
大切なのは、「利回り」という一つの指標に振り回されず、自分自身が「このチームなら、何があっても信じて戦える」と思える布陣を、少しずつ作り上げていくこと。
その第一歩として、チームの要、『鉄壁のディフェンダー』になってくれそうな企業を、まずは1社、真剣に探してみましょう。
今回のサッカーの例えが、チームづくりの参考になったなら嬉しいです。
一緒に、強いチームづくりをがんばっていきましょう!
「でもやっぱり投資って難しそう…」と一歩踏み出せずにいませんか?
最初の一歩は、難しい本より、まずはマンガで楽しく学ぶのが私のおすすめです。
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