「あと少し上がるかも…」と利益確定をためらって結局マイナスに。 「いつか戻るはず…」と損切りできずに大きな含み損を抱えてしまう。
投資をしていると、誰もが一度は経験する悩みではないでしょうか。
この記事では、そんな損切り(ロスカット)や利益確定のタイミングに悩むあなたのために、感情に左右されない具体的なルール設定のポイントを、私の実践手法をもとに解説します。
【この記事でわかること】
- チャートに基づいた、具体的な損切り・利益確定のポイント
- 大負けを避けるための超重要な資金管理「2%ルール」
- 「もう上げなさそう…」を判断するチャートパターンの見方
【基本】損切りのポイントは「エントリーの根拠が崩れた場所」
まず損切りのポイントについて、下のサンプル図を使って説明します。
これは、上昇トレンド中に一時的に株価が下がった後、再び上昇に転じる「押し目買い」を狙う局面です。

短期足でWボトム(二番底)を形成し、押し目ができた黄色の丸の位置でエントリーしたとします。
この場合、私なら損切りポイントを2つ検討します。(オレンジ色のライン)
- エントリーポイント直近の安値のちょっと下
- 押し目であるWボトムの安値のちょっと下

どちらも共通しているのは、「自分が買った理由(エントリーの根拠)が崩れたポイント」だということです。
「1」はよりタイトな損切りで、損失を小さく抑えられます。その分、少しのブレで損切りにかかってしまう可能性もあります。
「2」はより損失を許容する代わりに、Wボトムが崩れるまでは上昇の可能性を追いかけることができます。
『ちょっと下』ってどのくらい?
これは投資スタイルによりますが、目安としては5円~10円程度で十分です。
例えばロスカットラインが1,000円であれば、995円や990円に損切り注文を入れておきます。
大事なのは、「1,000円ピッタリ」にしないことです。キリの良い価格は多くの人が意識するため、そこを狙った動きで狩られてしまうことがあるからです。
【重要】大負けを防ぐための資金管理「2%ルール」とは?
テクニック以前に、トレードで生き残るために最も重要なのが資金管理です。
どれだけ素晴らしい手法でも、たった一回の失敗で再起不能になってしまっては意味がありません。
そこで守ってほしいのが、「2%ルール」です。
これは、1回のトレードで許容できる損失額を、総投資資金の2%以内に抑えるというルールです。
例:総資金が100万円の場合
100万円 × 2% = 2万円
→ 1回のトレードの損失は、最大でも2万円までにする。
このルールを徹底すれば、仮に5回連続で損切りになったとしても、失う資金は全体の10%です。精神的なダメージを抑え、冷静に次のトレードへ向かうことができます。
損切りポイントを決める際は、必ずこの「2%ルール」の範囲内に収まっているかを確認しましょう。
【基本】利益を伸ばす2つの利益確定ポイント
次に利益確定(利確)です。利確も私の場合、2つのポイントを検討します。
- 目標とする高値(レジスタンスライン)に到達したポイント
- 目標未達でも「もう上げなさそう」な形になったポイント
「1」はシナリオ通りに利益を得る、最もシンプルな方法です。
しかし私は、想定以上に株価が伸びる可能性も逃したくないので、「2」の「もう上げなさそう」な形になるまで待つことが多いです。
では、「もう上げなさそう」な形とはどんな形でしょうか?
代表的なのが、下図のような天井を示すチャートパターンです。

- ヘッド&ショルダー(三尊天井): 中央が最も高い3つの山を形成するパターン。
- Wトップ(ダブルトップ): 同じくらいの高さの山を2つ形成するパターン。
これらの形が見えたら、上昇の勢いが弱まっているサイン。欲張らずに利益を確定させることを検討します。
【なぜ?】チャートの形から投資家心理を読み解く
なぜ、Wトップやヘッド&ショルダーが出ると、株価が下がりやすくなるのでしょうか?
それは、チャートの裏側にある投資家の心理が働くからです。
Wトップを例に考えてみましょう。
- 1つ目の山(高値)を付けた後、株価が下落します。
- 再び上昇し、1つ目の山と同じくらいの価格まで来ます。
- しかし、前回の高値を超えることができませんでした。
この「超えられなかった」という事実が重要です。
これを見た市場参加者は、「もう上がる力はないのかな?」「高値で買った人が諦めて売り始めるかも」と考え、買いよりも売りの圧力が強くなります。その結果、株価は下落しやすくなるのです。
このように、チャートパターンを「ただの形」として覚えるのではなく、「その裏で投資家たちが何を感じているか」を想像すると、より深く相場を理解できます。
【結論】すべての判断は「チャートの左側」という事実に基づく
これまで説明してきた損切りも利益確定も、すべてはチャートの左側、つまり「過去の値動き」という”事実”に基づいて行います。
この軸がないと、トレードは感情に支配されます。
- 「損失が大きくなったらどうしよう…」という恐怖
- 「あともう少し利益がほしい!」という欲
こうした感情的なトレードは、判断を鈍らせ、大きな失敗につながります。
勘の良い方はお気づきかもしれませんが、「事実」に基づいて損切り・利益確定のポイントを見定めるということは、エントリーする時点でリスク(損失額)とリターン(利益額)の見通しが立てられるということです。
これにより、「ここはリスクリターンが良い局面だ」「ここは見送るべきだ」という判断精度が格段に上がり、結果として全体の損益がプラスに向かっていきます。
まとめ:感情的なトレードから卒業しよう
改めて今回のポイントをまとめます。
- 損切りは、「エントリーの根拠が崩れた安値」の少し下に設定する。
- 利益確定は、「目標の高値」か「天井を示すチャートパターン」が出たところで行う。
- どんな時も、1回の損失は総資金の「2%以内」に抑える資金管理を徹底する。
- すべての判断は、感情ではなく「チャートの左側」という事実に基づいて冷静に実行する。
これらのルールを決め、淡々と実行することが、感情的なトレードから卒業し、安定して資産を築くための第一歩です。
今回の記事が、トレード改善の参考になれば嬉しいです。
あとがき
事実(チャートの左側)に基づいて理論的にトレードをする!と決めても、感情的にならず冷静でいつづけることは難しいです。
+70%越えてくるとさすがに欲の方が強くなり始める。利確したい。でもまだ我慢。。せっかく買ったタイミング神がかってたのだから、どうせなら一生配当もらう用にしたい。でも……😣
— ぐー@ひきこもり→ホワイト企業に就職 (@guakw_fx) June 17, 2020
また別のときには、決済のときにミスをしました。そのことについて詳しくは下の記事に書いてますので、良ければどうぞ。
11年間で感情的・理論的の両方のトレードを経験してきましたが、最近でもこんなかんじです。。
デイトレードやスキャルピングをメインにしている方は、一日に何度もこうした局面を経験してるわけですから、自分のトレードルールに則り、淡々とトレードできる方のスキルはもちろん、そのメンタルも本当に凄いと思います。
私もデイトレとスキャルピングだけで数千回トレードしましたが、どうしても感情が荒れていました。
分かっていても実行するのは難しいです。
ここは試行錯誤しながら経験を積んでいくしかありません。
また、配当狙いの株の売りどきの考え方は今回とはちょっと違います、よければ読んでみてください。
今回の記事で読んでくださった方の損切りと利益確定のポイントのご参考になれば幸いです。
「でもやっぱり投資って難しそう…」と一歩踏み出せずにいませんか?
最初の一歩は、難しい本より、まずはマンガで楽しく学ぶのが私のおすすめです。
コメント