こんにちは!ぐーです。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!
私自身、現在も高配当株投資やインデックス投資をメインに、将来のための資産形成を楽しんでいます。
「よし、将来のために投資を始めよう!」
「長期・積立・分散がいいって本で読んだぞ!」
そう意気込んで投資を始めたものの、数ヶ月経つとこんな悩みを抱えていませんか?
- 毎日、株価の上下が気になって仕事が手につかない…
- SNSで「〇〇株が爆上げ!」という投稿を見ると、自分の持っている銘柄が退屈に思える。
- 少し利益が出ると「早く売ってしまいたい!」、少し損が出ると「これ以上下がる前に売りたい!」とソワソワする。
結果、気づけば短期で売買を繰り返してしまい、「長期保有なんて自分には無理かも…」と落ち込んでしまう。
その気持ち、痛いほどわかります。私自身も投資を始めたばかりの頃は、同じ悩みを抱えていました。
せっかく将来のために始めた投資が、日々のストレスになってしまっては本末転倒ですよね。
でも、長期保有ができないのは、あなたの意志が弱いからではありません。 それは、人間の脳に組み込まれた、ごく自然な「心理」が原因なのです。
この記事では、なぜ私たちが長期保有を「退屈」で「難しい」と感じてしまうのか、その正体を行動経済学の観点から解明し、誰でも実践できる具体的なメンタル管理術を私の実体験も交えてお伝えします。
日々の株価の動きに一喜一憂することなく、どっしりと構えて「バイ&ホールド」戦略を続けられるよう、見ていきましょう!
もう意志の弱さのせいにしない。「長期保有」を邪魔する3つの“脳の仕組み”
投資の王道と言われる「バイ&ホールド」。頭では「長期間保有し続けることが、資産形成の近道だ」とわかっているのに、なぜ私たちの心は揺れ動いてしまうのでしょうか?
その主な原因は、人間の本能的な心理バイアスにあります。
1. 損失回避:「1万円の損」は「1万円の得」より2倍ツラい
突然ですが、クイズです。
A:コインを投げて、表が出たら2万円もらえるが、裏が出たら1万円を支払う。
B:何もしない。
あなたはどちらを選びますか?
多くの人が「B:何もしない」を選びます。期待値で考えればAの方が得なのですが、私たちは「2万円を得る喜び」よりも「1万円を失う苦痛」を強く感じてしまうのです。
これは行動経済学で「プロスペクト理論」と呼ばれるもので、人間は利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛を約2倍から2.5倍も大きく感じることがわかっています。
投資の世界では、株価が下落したときに、この「損失回避」の心理が強く働きます。
「これ以上損をしたくない!」という強い恐怖心から、長期的な視点では「買い増しのチャンス」であるにもかかわらず、慌てて売却してしまう(狼狽売り)のです。
2. ハーディング効果:「みんな」と同じじゃないと不安
SNSやニュースで「〇〇ショックで株価大暴落!」「専門家は『まだ下がる』と予測」といった情報が流れると、急に不安になりますよね。
そして、周りの投資家が「売った」という声を聞くと、「自分も売らないと乗り遅れてしまう!」と焦って行動してしまう。
これは「ハーディング効果(群衆行動)」と呼ばれる心理です。
人間は社会的な生き物なので、無意識のうちに集団と同じ行動をとることで安心感を得ようとします。
逆に、相場が過熱しているときは、「みんなが儲けているのに自分だけ持っていないのは損だ!」と感じ、高値で飛びついてしまう(高値掴み)原因にもなります。
周りの意見に流されず、自分の方針を貫くのは、私たちが思う以上に難しいです。
3. 現在志向バイアス:「未来の大きな利益」より「今の小さな利益」
「10年後に100万円もらえる」のと、「今すぐ50万円もらえる」のでは、どちらが魅力的に感じますか?
理論的には10年待った方が得ですが、多くの人は目先の50万円を選びがちです。
これを「現在志向バイアス」と言い、私たちは将来の大きなリターンよりも、現在の小さなリターンを過大評価してしまう傾向があります。
投資においては、含み益が出ていると「この利益が消えてしまう前に早く確定させたい!」という欲求にかられます。
これが、長期で持っていればもっと大きな利益になったかもしれない銘柄を、わずかな利益で手放してしまう原因です。
“退屈”を“最強”に変える。今日からできる5つのメンタル管理術
では、これらの強力な心理に、私たちはどう立ち向かえば良いのでしょうか?
ここからは、私自身も実践している、誰でも簡単に始められるメンタル管理術を5つご紹介します。
1. 「投資=マラソン」と心得る。ゴールとペースを決めよう
投資は、一瞬で勝負が決まる短距離走ではありません。42.195kmを走り切るマラソンです。
マラソンランナーは、スタート直後に全力疾走したりしませんよね?
ゴール(目標金額・目標時期)を見据え、自分のペース(毎月の積立額)を淡々と守り続けます。途中のアップダウン(株価の変動)に一喜一憂せず、給水ポイント(配当金)でエネルギーを補給しながら、ゴールを目指します。
明らかに100m走とは異なります。
なのでまずは、あなた自身の投資のゴールを明確にしましょう。
- いつまでに(例:30年後の65歳になったとき)
- なんのために(例:老後の生活資金、子供の教育費)
- いくら必要なのか(例:2,000万円)
このゴールが明確であればあるほど、目先の株価変動という「小さな石ころ」につまずくことなく、走り続けることができます。
2. 「自動化」で感情を排除する。最強の仕組み「積立投資」
私たちのメンタルは、思った以上に脆いものです。
だからこそ、感情が入り込む隙を与えない「仕組み」を作ることが何よりも重要です。
その最も優れた手段が「積立投資」です。
毎月決まった日に、決まった金額を、自動で買い付けるように設定してしまえば、株価が高いときも安いときも、感情とは無関係に投資が実行されます。
「株価が下がっているのに買うなんて…」と思うかもしれません。
しかし、マラソンの例で言えば、これは下り坂で楽にペースを上げているのと同じです。
同じ金額でより多くの株数を買えるため、将来株価が回復したときのリターンはより大きくなります。
特に、新NISAの「つみたて投資枠」は、国が「長期・積立・分散」を後押しするために作った制度です。金融庁が厳選した手数料の安い投資信託のみが対象となっており、初心者の方が自動化の仕組みを作るのに最適です。
【非課税で増やす】NISA・iDeCoで賢く節税の記事を見る
3. 「見ない・聞かない・気にしない」。物理的に距離を置く
毎日、株価をチェックしたり、SNSで他の人の投資成績を見たりして、焦っていませんか?
その習慣が、あなたの心をすり減らす最大の原因です。
- 投資アプリをスマホのホーム画面から消しましょう。
- 投資系のインフルエンサーのフォローを一部外しましょう。
- 株価の確認は、週に1回、月に1回にしましょう。
長期投資は、野菜を育てるようなものです。毎日畑を掘り返しても、野菜は早く育ちませんよね。種をまき(投資し)、水をやり(積立を続け)、あとは太陽の光(市場の成長)に任せてどっしり待つことが大切です。
4. 「数字」を最強の味方にする。長期保有の圧倒的な優位性
不安になったとき、私たちの心を支えてくれるのは、感情論ではなく「客観的なデータ」です。
長期保有がいかに有利であるかを示す、2つの強力なデータをご紹介します。
① 金融庁が示す「10年間の威力」
日本の金融庁が公表している資料に、1985年から国内外の株式・債券に毎月同額を積み立て分散投資した場合の実績データがあります。
これを見ると、保有期間が5年では、元本割れ(マイナスリターン)の可能性があります。しかし、保有期間が10年になると、年率リターンはプラスの範囲(年2%から8%)に収斂しています。1
これは、たとえリーマンショックやITバブル崩壊のような大暴落を途中で経験したとしても、10年間という長い時間をかければ、世界経済の成長の果実を受け取り、資産がプラスになる可能性が極めて高いことを示しています。
② S&P500が証明する「続けた者勝ち」の世界
世界で最も有名な株価指数の一つである、米国の「S&P500」の過去のデータを見てみましょう。ある調査によると、どのタイミングで投資を始めても、保有期間ごとのリターンがプラスになった確率は以下のようになります。2
- 1年間保有した場合:約61%
- 3年間保有した場合:約88%
- 5年間保有した場合:約93%
- 10年間保有した場合:100%
保有期間が長くなればなるほど、リターンがプラスになる確率が限りなく100%に近づいていくのがわかります。
短期的な相場は誰にも読めませんが、「長く市場に居続けること」こそが、最も勝率の高い戦略なのです。
5. 「余剰資金」で投資する。心のセーフティネットを持つ
最後に、最も基本的で最も重要なことです。それは、「当面使う予定のないお金(余剰資金)」で投資を行うことです。
半年から1年分の生活費(生活防衛資金)は、必ず現金や預金で確保しておきましょう。
この「心のセーフティネット」があるからこそ、株価が暴落しても「このお金は20年後まで使わないから大丈夫」と冷静でいられます。
逆に、生活費まで投資に回してしまうと、少しの株価下落でも「来月の家賃が払えないかも…」という恐怖に繋がり、狼狽売りの引き金を引いてしまいます。
まずは、ご自身の貯蓄額から半年分の生活費を計算し、それが「心のセーフティネット」として確保できているか確認することから始めてみましょう。
まとめ:退屈こそが、未来自分を豊かにする
長期投資は、派手なデイトレードのようにエキサイティングではないかもしれません。
むしろ、退屈で、地味で、忍耐力のいる作業です。
しかし、その「退屈さ」こそが、資産形成における最大の強みです。
今回ご紹介した5つのメンタル管理術を、もう一度おさらいしましょう。
- 投資は短距離走ではなく「マラソン」。ゴールとペース設定を明確に。
- 感情を挟まない「自動積立」という最強の仕組みを作る。
- 株価アプリやSNSとは物理的に距離を置き、「見ない」勇気を持つ。
- 金融庁やS&P500の「歴史的データ」を信じ、不安を打ち消す。
- 「生活防衛資金」を確保し、心に余裕(セーフティネット)を持つ。
日々の株価の動きに心を揺さぶられそうになったら、上記のことを思い出してほしいです。
そして、遠い未来のゴールテープを切る、豊かな自分の姿を想像してみてください。
あなたの投資が、日々のストレスの種ではなく、未来を育む楽しい「マラソン」になることを、応援しています!
一緒にがんばっていきましょう!
参照情報:
- 金融庁「つみたてNISAについて」 ↩︎
- CAPITAL GROUP AMERICANFUNDS 「Time, not timing, is what matters」 ↩︎
「でもやっぱり投資って難しそう…」と一歩踏み出せずにいませんか?
最初の一歩は、難しい本より、まずはマンガで楽しく学ぶのが私のおすすめです。

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