「高配当株投資で、不労所得生活…なんだか夢があるな」
書店で投資本を手に取ったり、SNSで「配当金が入金されました!」なんて投稿を見たりすると、胸が躍りますよね。将来のために、資産形成のために、自分も始めてみたい。
でも、同時にこんな不安が頭をよぎりませんか?
- 「株価が下がったらどうしよう…」
- 「もし減配されたら?元本が割れたら?」
- 「リスク、リスクって言うけど、私ってどれくらいリスクに耐えられるんだろう…」
よく分かります。私も、まったく同じことで悩んでいました。当時はリーマンショックの爪痕も生々しく、「投資=怖いもの」というイメージが強烈でした。
こんにちは!ぐーです。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!
この記事では、そんな過去の私と同じような不安を抱えている人のために、高配当株投資と長く、楽しく付き合っていくための「リスク許容度の育て方」について、私の経験を交えながら紹介していきます。
「リスクとは、自分が何をやっているかよくわからないときに起こるものだ」
― ウォーレン・バフェット
投資の神様が言うように、リスクの正体を知り、自分なりの付き合い方を見つけることが、不安をワクワクに変える第一歩です。
この記事で紹介する、暴落でもぐっすり眠れる「5つのマイルール」
この記事では、まず「リスク許容度」の基本的な考え方を解説し、その後、私が15年以上の投資生活でたどり着いた具体的な「5つのマイルール」を紹介します。
忙しい方は、まずこの全体像を掴んでから、気になるところをじっくり読んでみてください。
- ルール①:生活費2年分の「聖域」には絶対に手を付けない
- ルール②:「評価額マイナス30%」は、バーゲンセールの合図と考える
- ルール③:惚れた銘柄(推し)にこそ、投資上限(10%)を設ける
- ルール④:配当金は「人生のボーナス」として、一部は必ず使う
- ルール⑤:どんな時でも、市場(リング)から絶対に降りない
それでは、一つずつ見ていきましょう。
そもそも「リスク許容度」って何?投資の”心の器”です
まず、「リスク許容度」という言葉から、なんだか難しそうなイメージを取り払いましょう。
金融庁のウェブサイトでは少し堅い言葉で説明されていますが、私は「投資における、私たちの心の”器”の大きさ」だと考えています。
- どれくらいの金額の増減までなら、心穏やかでいられるか。
- その器は、どんな形をしていて、どれくらい頑丈なのか。
この「器」の大きさを知らずに、なみなみと資金を注ぎ込んでしまえば、少し相場が揺れただけで中身がたくさんこぼれ落ちて(=損失を出して)、パニックになってしまいます。
長期的な資産形成は、この器を少しずつ育てながら、こぼれないように上手に水を注いでいく作業に似ています。
なぜ、この”心の器”を知ることが重要なのでしょうか?
それは、自分の器の大きさを無視した投資こそが、失敗の最大の原因となりうるからです。
自分の許容度を超えたリスクを取ってしまうと、株価が下落した局面で恐怖に支配され、「もう無理だ!」と底値で株を全部売ってしまう…いわゆる「狼狽(ろうばい)売り」をしてしまいます。あるいは思考停止して、なにもできないか、です。これでは、資産を増やすどころか、大きく減らしてしまいかねません。
だからこそ、まずは投資と向き合う自分自身の「心の器」について、深く考えることが何よりも大切です。
私が暴落でもぐっすり眠れるようになった「5つのマイルール」
ここからは、私が15年以上の投資生活でたどり着いた、「マイルール」を紹介します。
これが万人にとっての正解だとは思いません。でも、自分だけのルールブックを作る上での、きっと良い叩き台になるはずです。よければ参考にしてください。
ルール①:生活費2年分の「聖域」には絶対に手を付けない
私のルールの根幹、それは「何があっても絶対に手を付けないお金=聖域」を明確に設定することです。具体的には「生活費の2年分」。これを普通預金口座に置いています。
なぜ、半年や1年ではなく「2年」にしているのか?
これは、私が最も恐れているリーマンショック級の金融危機が起き、もし自分が職と資産を失った場合を想定したシミュレーションに基づいています。
「2年あれば、どんな不況下でも、焦って次の職を探す必要はない。じっくり自分のキャリアを考え直したり、場合によってはスキルを学び直したり、存分に落ち込む時間も確保したい!」
この時間的な猶予がもたらす精神的な安心感が、投資で大胆な勝負をするための「最強の砦」になります。
投資資金は、すべてこの聖域の外側にあるお金です。はっきり言ってしまえば、「このお金、最悪なくなっても2年間は普通に生きていける」という状態をつくっています。この盤石な守りがあるからこそ、後述するような暴落局面でも「まあ、なんとかなるか」と、どっしり構えていられます。
ルール②:「評価額マイナス30%」は、バーゲンセールの合図と考える
「あなたの資産が1000万円から700万円になったら、どう感じますか?」
ドキッとしませんか?でも私は、「お、今年のバーゲンセールが来たか」くらいに感じています。なぜなら、「ポートフォリオ(資産全体)の評価額が30%下落することは、数年に一度必ず起きる自然現象」と、理解しているからです。
忘れもしません、2020年のコロナショック。私の資産も、たった1ヶ月で新車が1台買えるくらいのお金が消えました(笑)。世界中の株価が、ストンと落ちていく。SNSには阿鼻叫喚の投稿が溢れていました。
その時、私が取った行動は2つだけです。
- 何もしない(むしろ、SNSのアプリを消す)
- あらかじめ決めていたルールに従い、淡々と買い増す
なぜ、こうした行動を取ったのか?それは、歴史が証明しているからです。過去100年以上の株式市場の歴史において、暴落は何度も起きましたが、そのすべてが最終的には回復し、高値を更新してきました。
歴史は繰り返す。この事実を知っているだけで、「恐怖」は「絶好の買い場」に変わります。もちろん、回復までには数年かかるかもしれません。実際まだコロナ前の水準まで戻りきっていない企業もありますよね。
でも、配当金をもらいながら気長に待っていればいいだけです。この「歴史を知っている」という事実と、後述する「分散ルール」が、暴落時の私を支える両輪です。
ルール③:惚れた銘柄(推し)にこそ、投資上限(10%)を設ける
アニメや漫画が好きだと、「推し」ができますよね。その作品やキャラクターのためなら、いくらでもお金を使えてしまう。投資でも、全く同じことが起こります。
投資を始めて数年経った頃、私は、あるIT企業に惚れ込んでいました。革新的な技術、カリスマ的な経営者…。PERやPBRといった指標も無視して、「この会社は絶対伸びる!」と信じ込み、当時の投資資産の約60%をその1銘柄に投じました。
結果はご想像の通りです。業界の構造変化の波に乗り切れず、株価は低迷。期待していた配当も減配され、私は大きな含み損と、自分の判断力の無さに対する深い後悔を抱えました。
あの時の絶望感と、「なぜ、もっと冷静になれなかったんだ」という自責の念は、今でも忘れません。
この痛すぎる失敗から、私は学びました。
「どんなに素晴らしい企業に見えても、未来は誰にも分からない。惚れた銘柄ほど、客観的に見なければならない」と。
そこから生まれたのが、「1銘柄への投資は、総資産の10%まで」というルールです。
あなたのゲームのパーティーを、好きな魔法使いキャラだけで固めますか?しませんよね。前衛の戦士、回復役の僧侶、バランスが大事です。ポートフォリオも全く同じ。
どんなに「推し」の企業でも、このルールは絶対に曲げません。この機械的なルールこそが、過去の私のような感情的な失敗から守ってくれるのです。
ただし、投資を始めたての頃は資金も少なく、保有銘柄数も1ケタになりがちなので、その期間は例外です。その後に10%までルールの出番です。
ルール④:配当金は「人生のボーナス」として、一部は必ず使う
「もらった配当金は、すべて再投資に回すべきだ」
これは投資の専門家が出した理論的な正解です。複利の効果を最大化できますからね。
でも、私は少し違います。私のルールは「基本は自分のために使う。使わない分は再投資に回す」です。
理由はシンプルに、投資を我慢大会にしたくないからです。数字が増えるのを眺めるのは好きですが、それだけではいずれ飽きてしまいます。というか、増やしたお金を使うタイミングがありません。
株のデイトレードやFXもやってきましたが、それだけだと正直つまらなく感じるときはあります。大切なのは、「投資が自分の人生を豊かにしてくれている」という実感を得ることだと思います。
私はこの配当金という「ご褒美」で、回らないお寿司を食べに行ったり、気になっていたガジェットを買ったり、ふらっと旅行に出かけたりします。このささやかなご褒美が、「よし、また明日も頑張ろう」「次の配当金が楽しみだな」という、投資を長く続けるためのモチベーションになります。
何のために、お金を増やしたいのか?その目的を見失わないよう気をつけています。配当金は、私たちの人生を豊かにするための、素晴らしいボーナスです。
ルール⑤:どんな時でも、市場(リング)から絶対に降りない
最後に、最も伝えたい哲学かもしれません。
投資における本当の敗北とは、損切りをすることではありません。市場から完全に退場してしまうことです。
含み損を抱えた株は、確かに見ていて気持ちのいいものではありません。しかし、配当金を生み出し続けてくれる限り、その株は自分にとって「金の卵を産み続けてくれる鶏」です。今は少し元気がなくても、またいつか立派な卵を産んでくれるかもしれない。その鶏を、恐怖のあまり手放してしまうのが、一番もったいない。
リーマンショックで絶望してやめてしまっていたら、その後の10年以上にわたる歴史的な大相場の恩恵を受けられませんでした。コロナショックで退場した人も同じです。ほとんどの人が想像もしてなかったでしょうが、今も日経平均株価は史上初の43,000円を突破中です(2025年8月時点)。
これまで数々の危機を経験してきましたが、暴落で数千万円、数億円を失い市場から退場していく人をたくさん見てきました。何度も資産の大半を失い続けてきた私のようなうだつの上がらない投資家でも、生き残ってさえいれば、いずれチャンスは巡ってきます。
だから、私はどんな時でも市場に居続けます。たとえ投資額を月1000円に減らしてでも、市場というリングの上に立ち続ける。そこに居続ける限り、次のチャンスが必ず来るからです。
【応用編】マイルールをさらに強固にする「2つの実践知識」
5つのマイルールで心の準備が整ったら、次は知識でさらに守りを固めましょう。マインドセットだけでは乗り越えられない、よりテクニカルな不安もあるはずです。
ここでは、多くの投資家が抱える具体的な2つの不安(減配と暴落時の買い方)に対して、リスクを管理するための実践的な視点をご紹介します。
実践知識①:「減配リスク」を予測し、ダメージを最小化する視点
高配当株投資家にとって最大の懸念は、やはり「減配」ですよね。「絶対に減配しない企業」を見抜くことは誰にもできませんが、「減配しにくい企業」を見極めるためのチェックポイントは存在します。
私が銘柄を選ぶ際に最低限チェックしているのは、以下の3つの指標です。
- 業績の安定性(連続増配の実績は信頼の証)
長年にわたって配当を増やし続けている企業(例えば、日本の花王やKDDIなど)は、景気の波に左右されにくい安定したビジネスモデルと、株主還元への高い意識を持っている傾向があります。「連続増配年数」は、その企業の信頼性を測る一つのバロメーターになります。 - 財務の健全性(自己資本比率は企業の体力)
不況になっても借金に頼らず事業を継続できるか、という企業の「体力」です。業種にもよりますが、一般的に自己資本比率が40%以上あると、財務的な安心感が高いと言えます。 - 配当の持続可能性(配当性向は無理のなさ)
企業が稼いだ利益のうち、何%を配当に回しているかを示す指標です。これが高すぎる(例えば80%〜100%超)と、少し業績が落ち込んだだけで減配に追い込まれる可能性があります。30%〜50%程度の範囲であれば、持続可能な配当を続けてくれる期待が持てます。
もちろん、これらは完璧な保証ではありません。だからこそ、ルール③で述べたように複数の銘柄に「分散」して投資することが、最終的に減配リスクから私たちを守ってくれる最も有効な保険になるのです。
実践知識②:「暴落時の買い増し」で、チャンスを最大化する視点
ルール②で「暴落はバーゲンセールの合図」とお話ししましたが、「セールで何を買うべきか?」も非常に重要です。パニック相場では冷静な判断が難しくなるため、あらかじめ自分なりの買い増し方針を決めておきましょう。
基本戦略は大きく分けて2つあります。
- 戦略①:自分が信じる優良銘柄を買い増す(王道)
これが最もシンプルな王道です。自分が「これからも成長する」と分析・確信して投資した銘柄を、安く手に入れられる絶好の機会と捉えます。普段は高くて手が出せない優良株ほど、暴落時の買い増し対象として魅力的です。 - 戦略②:不況に強いディフェンシブ銘柄を狙う(堅実)
通信、食品、医薬品、電力・ガスといった、生活に不可欠なサービスを提供するセクターは、景気の影響を受けにくく、不況時でも業績が比較的安定しています。暴落のダメージを抑えつつ、着実に資産を増やしたい場合に有効な戦略です。
私自身は、「自分が信じる優良銘柄で、かつポートフォリオの上限(10%)に達していないもの」を機械的に買い増すことが多いです。感情を挟まず、事前に決めたルールに従うことが、暴落という最大のチャンスを活かす秘訣です。
まとめ:ルールと知識で「リスク」を管理し、不安を自信に変えよう
今回は、高配当株投資における「リスク許容度」の育て方と、より具体的なリスク管理術についてお話ししました。
最後に、今回ご紹介したポイントを振り返ってみましょう。
おさらい:「リスク許容度」を育てる5つのマイルール
ルール | 目的・考え方 |
① 生活費2年分の聖域 | 何があっても生きていける盤石な守りを固め、精神的な余裕を持つ |
② -30%はバーゲンセール | 暴落は「絶好の買い場」と捉え、恐怖に打ち勝つ歴史観を持つ |
③ 推し銘柄に上限10% | 感情的な判断を避け、一つの銘柄への過度な集中リスクを防ぐ |
④ 配当金の3割は使う | 投資を我慢大会にせず、「人生を豊かにする」実感を得て継続する |
⑤ 市場から降りない | 含み損に耐え、市場に居続けることで次のチャンスを必ず掴む |
おさらい:リスクをさらに管理する2つの実践知識
リスク | 対策のポイント |
減配リスク | ①連続増配の実績、②自己資本比率、③配当性向をチェックし、分散投資で備える |
暴落時の買い増し | ①信じる優良銘柄か②不況に強いディフェンシブ銘柄を、あらかじめ決めたルール通りに買う |
長くなりましたがこの記事でお伝えしたかったことは、「リスクは避けるものではなく、自分で管理(コントロール)するもの」だということです。
マインドセットとしての「マイルール」と、実践的な「知識」を両方持つことで、投資は「怖いギャンブル」から「ワクワクする未来への仕込み」に変わっていきます。
株価が下がれば「安く買えるチャンス!」と思えるようになり、配当金が入金されれば「よし、これでまた新しい株を育てよう」と素直に喜べます。
この記事で参考になる部分があったら嬉しいです。
一緒にがんばっていきましょう!
「でもやっぱり投資って難しそう…」と一歩踏み出せずにいませんか?
最初の一歩は、難しい本より、まずはマンガで楽しく学ぶのが私のおすすめです。
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