「あ、これ欲しいな」
お店で素敵な洋服を見つけたとき、友人とのランチで少しリッチなコースを選ぶとき、あなたは心から「楽しもう!」と思えていますか?
- 「でも、これって無駄遣いじゃないかな…」
- 「もっと将来のために貯金しなきゃいけないのに…」
そんな風に、お金を使うたびにチクリと胸が痛む「罪悪感」。すごく分かります。私もまさにそうでした。
投資家としてお金の勉強をすればするほど、「節約」と「貯金」、「投資」が正義だと信じ込み、コンビニのコーヒー一杯ですら「これで1株買えるのに…」と考えてしまう始末。
でも、そんな私が今では、「お金を使う楽しさ」を実感できるようになりました。将来への備えはしっかりしつつ、「今の自分」を幸せにするためにお金を使えるようになったのです。
この記事では、私と同じように「お金を使う罪悪感」に悩むあなたが、お金と笑顔で付き合えるようになるための「3つの方法」 をお伝えします。
なぜ私たちは「お金を使う罪悪感」を抱いてしまうのか?
方法の話をする前に、少しだけ敵の正体を知っておきましょう。私たちが罪悪感を抱くのには、ちゃんと理由があります。
- 将来への漠然とした不安(老後2000万円問題など)
- SNSで見るキラキラした他人との比較
- 「節約・貯金が美徳」という社会の空気
特に20代・30代の私たちは、年金や日本の将来について、決して明るいとは言えない情報に触れる機会が多いですよね。
金融庁が発表した「老後2000万円問題」 も、私たちの心に重くのしかかり、「とにかく貯めなきゃ!」という強迫観念を社会全体に生み出しました。
でも、その不安、そして罪悪感は、正しい知識とちょっとしたコツで、必ず乗り越えられます。
方法その1:「未来の自分」への仕送りを『先取り』で終わらせる
罪悪感の最大の原因は、「今お金を使うと、将来の自分が困るんじゃないか」という不安です。
ならば、先に将来の自分を安心させてあげればいいのです。
具体的には、給料が入ったら、真っ先に「貯金・投資用」のお金を別の口座に移してしまいましょう。これを「先取り貯金(投資)」と言います。
「え、それだけ?」と思うかもしれませんが、やってみるとこれが驚くほど効果的なんです。
例えば、手取り25万円の人が「毎月5万円」を先取り投資すると決めたとします。給料日に即、証券口座などに5万円を移す。そうすれば、残った20万円は「今月、あなたが自由に、罪悪感なく使っていいお金」に変わります。
この「先取り」のすごいところは、
- 意識しなくても、確実にお金が貯まる・増える仕組みができる
- 残ったお金を使うときに「将来は大丈夫かな?」と悩む必要がなくなる
という点です。
ちなみに、毎月5万円を年利5%で30年間積み立て投資した場合、どうなるか見てみましょう。
- 積立元本:1,800万円
- 運用収益:2,277万円
- 最終積立金額:4,077万円
なんと、元本以上の利益となり、将来のために「4000万円以上」を用意できる計算になります。
もちろんこれはシミュレーションですが、「毎月5万円」の先取りが、どれだけ将来の自分を助けてくれるか、有効性がイメージが湧きませんか?
まずは将来の自分への仕送りを済ませて、心置きなく「今」を楽しみましょう!
方法その2:「浪費」と「自己投資」のメガネをかける
「そうは言っても、無駄遣いはしたくない…」
その気持ち、とても大切ですね。そこで次に使いたいのが、「これは浪費?それとも自己投資?」と自分に問いかける方法です。
お金の使い方は、大きく3つに分けられます。
- 消費:生きていくために必要な支出(家賃、食費など)
- 浪費:あまり価値を感じない、満足度の低い支出(惰性で買うお菓子、使わないサブスクなど)
- 投資:将来の自分を豊かにしてくれる支出(書籍、経験、健康、人間関係など)
罪悪感を感じやすいのは、主に「浪費」に対してのはずです。でも、私たちはよく「投資」にあたるお金の使い方まで「浪費じゃないか?」とためらってしまうことがあります。
例えば、こんなお金の使い方はどうでしょう?
- 友人の結婚祝いに、少し奮発したプレゼントを買う
→ 大切な人との人間関係を育む「関係投資」 - ずっと行きたかった場所に旅行する
→ 新しい価値観や一生の思い出を作る「経験投資」 - スキルアップのために、オンライン講座に申し込む
→ 将来の収入アップにつながる「自己投資」 - 座り心地のいい椅子を買って、体の負担を減らす
→ パフォーマンスを上げ、医療費を減らす「健康投資」
どうでしょうか?これらは「浪費」ではありませんよね。むしろ、私たちの人生を何倍にも豊かにしてくれる、素晴らしい「未来への投資」です。
お金を使う前に一呼吸おいて、「これは自分の未来を豊かにしてくれるかな?」と考えてみる。この習慣が、罪悪感から救い出し、お金を使うことに「自信」と「納得感」を与えてくれます。
方法その3:「幸せになる予算」をあらかじめ用意しておく
最後の方法は、少しワクワクするものです。それは、「自分を幸せにするためだけのお金」を、あらかじめ予算として確保しておくこと。
私はこれを「ごきげん予算」と呼んでいます。
先ほどの「先取り投資」をした後、生活費などを除き、月に1万円でも5千円でも構いません。「このお金は、自分の機嫌をとるため、幸せになるために、何に使ってもいい!」と許可を出してあげるのです。
この予算のポイントは、「使い切ること」を目標にすること。
- ちょっと高級なケーキを買って、平日の夜を特別にする
- 好きなアーティストのライブに行く
- マッサージに行って、日頃の疲れを癒す
何でもOKです。この「ごきげん予算」の範囲内であれば、一切の罪悪感を覚える必要はありません。
だって、それは「自分を幸せにする」という目的を達成するための、計画的な支出なのですから。
この予算があることで、「お金を使う=悪」という思考のクセが、「お金を使う=自分を幸せにするための手段」へと、ポジティブに書き換えられていきます。
まとめ:お金は、あなたを幸せにするための「道具」
なかなか世知辛い現代社会なので、つい忘れがちですが、お金は、ただ貯め込むためだけにあるのではありません。私たちの今と未来の両方を幸せにするための、強力な「道具」です。
今回ご紹介した3つの方法を、もう一度おさらいしましょう。
- 「未来の自分」への仕送りを『先取り』で終わらせる
→ まず将来を安心させ、残ったお金を心置きなく使えるようにする。 - 「浪費」と「自己投資」に分ける
→ 支出の意味を考え、人生を豊かにするお金の使い方に自信を持つ。 - 「幸せになる予算」をあらかじめ用意しておく
→ 計画的に「自分を幸せにする支出」を行い、罪悪感をなくす。
かつての私は、お金を使わないことで安心感を得ようとしていました。でも、それは「今の自分」の気持ちを無視した、少し寂しいやり方だったと思います。
本当の安心感とは、将来への備えをしっかりした上で、「今の自分も、ちゃんと大切にできている」という実感から生まれるものだと私は思います。
この記事が、お金との関係を見つめ直し、罪悪感なく、笑顔で毎日を過ごすためのキッカケになれたら、嬉しいです。
まずは「ごきげん予算」で、今週末に何をしたいか考えてみましょう!

コメント